おせちはお重の段ごとに詰める料理が異なる他、一つ一つの料理にもそれぞれに意味や願いが込められています。そのことを新年を迎える前に理解しておくと、より美味しくおせちを味わえますし、新年を迎えられた喜びや有り難さも二倍三倍になります。お正月から年末までの一年間をどのように過ごすかについて思いを巡らせる良い機会にもなりますから、知っておいて損はありません。濃厚な優しい甘さがたまらない「黒豆」には、一年間を通してまめ(真面目)に働き、まめ(健康的)に暮らせるようにという願いが込められています。
甘いものといえば、子どもも喜んで食べる「きんとん」は漢字で金団と書き、その色から財産・富を得る縁起物とされているようです。煮物に入れる里芋には子芋が沢山つくことから子宝に恵まれますようにという願いが込められており、レンコンには穴が開いていることから先見性のある一年を祈願するという意味があるとされています。ちなみに三段のお重箱には、一の重に祝い肴や口取りを詰め、二の重には酢の物や焼き物を詰め込むことが決まっています。三の重には煮物です。
五段のお重箱の場合は、一の重に祝い肴、二の重には酢の物と口取りを詰め、三の重には焼き物、四の重には煮物を詰め込みます。五の重は控えの重とされており、何も詰めません。こういったおせちに関する知識を自分の中にきちんと蓄えておくだけで、お正月の目出たい気分をより一層高められるだけでなく、一つ一つの食べ物を口にするたびに一年間の健康や繁栄を願うことができます。おせちのことならこちら